スマホ使い方なんでも相談会で地域を笑顔に!(鶴川地区協議会)

 東京都町田市鶴川地区で活動をされている鶴川地区協議会さん。
地域で発生するスマホの困りごとを解決するために毎週2~3回のペースでスマホの使い方相談会を開催されております。
相談できる内容は特に決めず、「あらゆるどんな質問にもお答えします」といった形での開催も特徴的です。

内容を特に決めることなく、毎週2~3回という高頻度での開催を行われているのは何故なのか。
鶴川地区協議会さんにお話を伺って参りました。

スマホの使い方なんでも相談会の入口
スマホの使い方なんでも相談会の入口
常に扉が解放されており、気軽に入りやすく、部屋の中は和やかな雰囲気で相談というよりも世間話の場といった空気がありました。

鶴川地区協議会さんについて


Q: 鶴川地区協議会さんは、どういった組織なのでしょうか。

A: 鶴川地区協議会は、地域の困りごとを解決していくことを目的とした地域支援組織です。町内会、高齢者支援センター、障碍者支援センターなど、54の団体(2023年9月時点)が集まり、鶴川地区協議会を運営しております。

Q: 鶴川地区協議会さんは、どのような活動をされておられるのでしょうか。

A: 鶴川地区の交流拠点としての「3(さん)水スマイルラウンジ」の定期的な開催やフードバンクの運営、ウォーキングイベントの開催、そしてスマホ相談会などの活動を行っております。また、地域活性化事業として、障害をお持ちの方への支援、子供達への支援、お母さんと赤ちゃんへの支援など様々な活動を行っている鶴川地区の市民団体へのサポートも行っております。

スマホの使い方なんでも相談会について


Q: 「あらゆるどんな質問にもお答えします」といった形でスマホの相談会を開催されておりますが、この形式になった経緯について教えていただけますでしょうか。

A: 以前は、テーマを決めてテーマに沿った内容を教える講座という形で開催していました。
その当時のことなのですが、講座が終わると講師の方に質問の行列が出来ていました。それも講座に関係のない質問のための行列です。
それでは、質問にシンプルに、それぞれに答えられる形にしようと。そうなると講座というよりも今のようなスタイルが望ましいということで、今の形になりました。

Q: 週に2~3回のペースでスマホ相談会を開催されておりますが、このように高頻度で開催されておられるのは何故でしょうか。

A: 毎週2~3回で実施すると買い物帰りなど、より気軽に足を運んでいただける機会を増やすことが出来ます。
相談に来られる回数が増えると、利用者さんも、教えるボランティアの方も、話を気軽に出来るようになり、その方が本当は何がわからないのかといった事がくみ取れるようになります。これが困りごとの解決には非常に重要であり、必要であると考えています。
そういった理由から、コミュニケーションの機会を作るためにも毎週2~3回で行っております。

社会福祉法人悠々会 共生社会推進室 室長 鯨井孝行さん
お話をいただいた 社会福祉法人悠々会 共生社会推進室 室長 鯨井孝行さん
 *社会福祉法人悠々会は社会貢献の一環として地区協議会の運営に携わられている。

スマホ使い方なんでも相談会を通して、スマホへの抵抗感を無くすことが出来、また、相談会でコミュニケーションの場も広がります。そして情報を共有することが出来るようにもなります。これは、特殊詐欺への注意喚起にもつながっています。と教えていただきました。

Q: スマホ相談会を利用されている方はどのような方が多いのでしょうか。また、利用者さんからの反響はどうでしょうか。

A: 高齢者の方が多いですね。中には100歳近くの方もいらっしゃいます。また、一度来られた方が、一回の教室で終わるということは少なく、一回来たら何回も通われることが多いです。
利用された方からは、「来てよかった!」「使い方が分かった!」との声を多くいただいております。
アクセシビリティに関する困りごとなら、その場ですぐに解決出来る事が多いので、来られた方も気持ちよく、すっきりして帰っていただいているといった印象を受けております。

Q: 「鶴川地区協議会のスマホ相談会」とは利用される方にとってどのような場所だと思われますか。

A: ただスマホの相談が出来、教わるだけの場所ではなく、ひとつの集いの場、コミュニケーションをとる場所です。
スマホを教えるボランティアさんとスマホを教わる利用者さんが世間話などを気軽に出来る。コミュニケーションの場だと思います。

Q: 鶴川地区協議会さんには障害者支援センターの方も参加されておりますが、障害者の方へのICTデバイスのサポート等について、サポーターの育成や教室の開催などはお考えでしょうか。

A: はい。考えております。
実際に障害をお持ちの方もお見えになられておりますので、今後ニーズが増えてきたら別個に開催したいと思っています。

Q: 最後に鶴川地区協議会さんは、スマホ使い方なんでも相談会でスマホの使い方に関する困りごとを解決される活動を行っておられますが、「誰もが気軽にデジタルの恩恵が受けられるようになる」ためには、どうしたら良いと思われますか。

A: 難しい質問ですね。
スマホを持ってない人、携帯を持ってない人、情報弱者と言われる人がいるなら、その人のところに情報が届いていないという問題を解決する必要があると思います。
そういう人たちは、助けてほしい時に助けてって言えない人が多いのです。
もしも、助けてほしい人がここにいると知ることが出来たら、支援することが出来ます。でも、その人はSOSを出せないから支援が届かず、そこに情報も届かないのです。だから、情報が行き届くように、その人を孤立させないことが大事だと考えています。
デジタルデバイドの問題をなくすには、情報格差におちいる人、なってる人を孤立させない事が重要だと思うんです。
3水スマイルラウンジも、私たちがやっているスマホなんでも相談会も、そこが一つのコミュニティの場になっているから、そこではデジタルデバイドはなくなっています。
スマホ相談会もそうですが、私たちの行っている様々な活動から感じた事も含めて考えると「誰もが気軽にデジタルの恩恵が受けられるようになる」ためには、支援が必要な人を孤立させないように情報のつながり、地域とのつながりを作ってあげる事が大事なのではないかと思います。

スマホの使い方なんでも相談会へお邪魔してみました。

当日の相談風景
当日の相談風景

実際にスマホの使い方なんでも相談会にお邪魔したところ、やさしい雰囲気をお持ちのボランティアさんが3名対応に当たられておりました。
ボランティアさんはサポーターと呼ばれ、約10名が所属されており、近隣の市から通われる方もおられるとのこと。とても和やかな雰囲気の中でスマホの相談が行われておりました。
サポーターの方々にお話を伺ったところ、スマホの相談で多いのはLINEに関する事と、お買い物の情報を得るためのQRコードの読み取り方などの身近な事が多いとのこと。訪問した日は宅配便のアプリの使い方相談にも対応されていました。

サポーターの東海林さん
サポーターの東海林さん

ご自身も相談に来られて解決することが出来、自身も伝えたいと感じたことがボランティアになったきっかけです。とお話いただきました。
ここにはいろんな人がいるので、わからないこともチームワークで解決できると仰っていたことが印象的でした。

鶴川地区協議会 吉田さん
鶴川地区協議会 吉田さん

相談に来る人の中には、スマホの操作の何を聞いていいかわからない。
そのような事からはじまることもありますが、お話をすることでスマホという機器がどういった物なのかを一つ一つ理解される。そうやって一歩一歩、ご自身のペースで進むことが出来るのが、スマホなんでも相談会の一番良いところなのではないか。とお話を頂きました。

まとめ

デジタルデバイドに陥った人たちが、IoTデバイスを使えるようになるには、一度だけ、操作を教わる機会を得ても、なかなか使いこなせるようにはなれません。
何度も教わり、やってみるを繰り返し、使えるようになります。何度も同じことを聴きに行くのは心苦しく、聴きに行くことをやめてしまうかもしれません。

そんな時に鶴川地区協議会さんのスマホ使い方なんでも相談会のように気軽に教えてくれる人がいて、気軽にいける場所があれば、どんなに心強いでしょうか。使えるようになる確率がぐっと上がると思います。
また、気軽に通うことが出来るので再びデジタルデバイドに陥ることも少ないと思います。

スマホの困りごとの解決にコミュニケーションの視点から取り組んでおられる鶴川地区協議会さん。これからもより良い地域作りのために、邁進していただけたらと思います。
ご協力ありがとうございました。

鶴川地区協議会(URL : https://tsurukyou.com/)

鶴川地区協議会
町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」の一環として、地域を支える組織と
して設立された町田市鶴川地区の地区協議会。

・鶴川地区の「つながり密度」をあげます。
・鶴川は子供から高齢者まで見守られています。
・鶴川は大きな災害が起きても安心です。
*鶴川地区協議会ホームページより抜粋

上記、3つを掲げて魅力ある地域づくりを目指し、活動されている。