人は誰に出会うかによってデジタルの便利さを体験したり実現したりする機会が大きく違ってくるのではないでしょうか。
日本支援技術協会では、デジタルアクセシビリティアドバイザー(DAA)認定制度を実施し、アクセシビリティのマインドを持った支援者が身近にいて気軽に相談できる地域社会を作りたいと考えております。
フォーラムでは、さまざまな立場のDAA認定者にもご登壇いただき、地域での活動を紹介してもらいます。また、デジタルアクセシビリティに関連する支援機器等も体験展示いたします。
なお、本年は国立高専が組織する全国KOSEN支援機器開発ネットワークが実施する「JAPAN ATフォーラム2025」との共催となります。
■開催日時:2025年11月5日(水)10:00~17:00
■開催場所:日本マイクロソフト株式会社 品川本社
(〒108-0075 東京都港区港南2丁目16−3 品川グランドセントラルタワー)
■開催形式:オフライン&オンラインでのハイブリッド開催
■参加費:無料
■現地聴講者定員:100名
※聴講をご希望の方は下段にあるフォームからお申し込みください。
★★★ショートレポート登壇者を募集します★★★
10分以内の短い時間ですが、ご家族やご友人、お住いの地域、お勤め先などさまざまな場面での活動の様子をご発表いただきます。多くのみなさまと情報を共有し相互にそのスキルを高めていくことがその目的です。本当に身近なところで何に困り、どのようにデジタルを活用できたとか、こんな課題がみつかったとか、一緒に活動できる人への声かけであったり、ヘルプだしであったり、、、DAA認定者としての視点での体験談で構いません。ぜひ、DAAのあなたの声をお聞かせください。
- 登壇形式:会場登壇またはオンライン登壇(録画ビデオでもOK)
- 登壇資格:DAA BasicまたはStandard認定者
- 募集数:6名
- 持ち時間:10分(お一人あたり、準備時間込み)
- 登壇時間:14:40〜16:00の間(聴講は終日可能です)
- 登壇費用:無料(また、主催者から報酬や交通費等のコストの負担はいたしません。)
- 募集テーマ:特に定めませんが、DAAとしての活動紹介から参加者に共有したいアイデアや取り組みや課題をお話しください。
★聴講希望と登壇希望のお申し込みはともに以下のURLからお願いいたします。
お申し込みは終了しました。
■主催:一般社団法人日本支援技術協会/デジタルアクセシビリティアドバイザー認定委員会
■後援:独立行政法人国立高等専門学校機構
■プログラム:
| 時間 | 内容 | 場所 |
|---|---|---|
| 10:00-10:30 | ■受付開始■ 受付:日本マイクロソフト株式会社 2階ロビー 入館証配布 (31階 会議場) | |
| 10:30-11:00 | ■開会式(全体会)■ 〇主催者挨拶 小野 雄次郎 氏 (日本支援技術協会 代表理事) 〇ATフォーラム実行委員会挨拶 浜 克己 (実行委員長 函館工業高等専門学校 特命教授) 〇会場代表者様挨拶 千葉 慎二 氏 (日本マイクロソフト株式会社 技術統括室 クオリティエンジニア 博士(医学) | メイン会場 オンライン |
| 11:00-11:50 | ■招待講演■ 〇「筑波技術大学読書バリアフリーコンソーシアムテクノロジーハブの取組」 青木 千帆子氏(筑波技術大学・障害者高等教育研究支援センター) 〇「DAA認定試験の活動現況について」 田代 洋章(日本支援技術協会 事務局長) | メイン会場 オンライン |
| 11:50-13:00 | 昼食休憩 〇AT機器関連成果発表のデモ展示 〇ランチタイム意見交換会:参加者の対話交流の時間 | |
| 13:00-13:40 | ■AT関係研究成果発表 1部■ | メイン会場 オンライン |
| 13:40-13:50 | 休憩 | |
| 13:50-14:30 | ■AT関係研究成果発表 2部■ | メイン会場 オンライン |
| 14:30-14:40 | 休憩 | |
| 14:40-16:00 | ■DAA認定者ショートレポート報告■ 6名のDAA認定者による活動報告 (登壇者が決まり次第掲載します) | メイン会場 オンライン |
| 16:00-16:15 | 休憩 | |
| 16:15-16:40 | ■閉会式■ 〇講評、活動表彰 浜 克己 (実行委員長 函館工業高等専門学校 特命教授) 〇閉会挨拶(総括) 清田 公保 (熊本高等専門学校 教授) | メイン会場 オンライン |
| 17:20-18:30 | ■情報交換会■ 参加者交流会(任意参加) | メイン会場 ロビー ホワイエ |
予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。
第3回 DAAフォーラム2025開催報告
【招待講演】「筑波技術大学読書バリアフリーコンソーシアムテクノロジーハブの取組」
青木 千帆子氏(筑波技術大学・障害者高等教育研究支援センター 准教授)
講演要旨(クリックすると表示します)
社会福祉士として活動するほか、視覚や聴覚に障害がある人への情報保障や、盲ろう者の通訳介助にも携わっています。2002年に障害者の通所施設で勤務を始め、その後大学院で障害者の労働に関する研究に取り組みました。さらに、大学の障害学生支援室でのコーディネーター業務、内閣府障害者施策担当での障害者差別解消法の施行準備にも携わりました。これらの経験から、情報アクセシビリティを推進する必要性を強く感じています。
研究テーマは「情報アクセシビリティ」と「ユニバーサルデザインの科学技術史」。法と現場を往還しながら、テクノロジーの発展が思わぬ形で社会的障壁をつくってしまう背景について調べています。本日は、筑波技術大学が文部科学省から受託している「読書バリアフリーコンソーシアム事業」の取り組みをご紹介します。具体的には、読書を支援するテクノロジーに関する情報発信の一環として試行している、読書支援機器の貸出事業「みかん箱プロジェクト」についてお話いたします。まだ、試行錯誤の段階ではありますが、この報告を通して皆様とアシスティブテクノロジーの未来について、ビジョンを共有することができますと幸いです。
■読書支援機器貸出事業「みかん箱プロジェクト」
https://www.i.tsukuba-tech.ac.jp/techhub/mikan
【DAAショートレポート1】
気軽に使えるアクセシビリティツールの普及を目指して~聴覚障害当事者の視点から
時田 佑実氏(日本マイクロソフト株式会社)
講演概要(クリックすると表示します)
両耳難聴により補聴器を使用。 システムエンジニアとしてのキャリアを経て、日本マイクロソフトの IT
ラーニングプログラムを修了し、現在は同社 技術統括室に所属しています。アクセシビリティサイトの運営や社内コミュニティ活動の支援などを通じて、誰もが気軽に使えるアクセシビリティ機能の普及や、安心して働ける環境づくりに取り組んでいます。
当事者としての視点から考える難聴者を取り巻く現状・課題や、自身が業務および日常で活用している支援技術・ツール、これまでの経験やDAA取得のための学びによって得た気づきを共有します。
【DAAショートレポート2】
ICTを活用した授業支援とDAA資格取得
松本 隆徳氏(熊本県立熊本かがやきの森支援学校)
講演概要(クリックすると表示します)
本校は、医療的ケアを必要とする、重度重複障害のある児童生徒が在籍する肢体不自由支援学校です。本校では、子どもたちの授業にICTを活用することは、特に有効と考え、組織的に推進しています。
私は、学校全体のICT活用の“推進”とICTを活用した授業の“授業支援”、教育活動における“ICT活用の
研究”の3つの役割を担う「ICTファシリテータ」の役割を拝命しています。DAA(Bassic)は、昨年度、夏期休業中に取得しました。
発表では、DAA認定資格を取得しようと思った経緯や取得して役に立ったことについて、実践を交えながら紹介します。
【DAAショートレポート3】
東京都障害者IT地域支援センターにおけるDAAの役割と展開
森川 英子氏(東京都障害者IT地域支援センター)
講演概要(クリックすると表示します)
東京都障害者IT地域支援センターでは、 障害者の情報の取得・使用や意思疎通におけるバリアフリー化に資するデジタル機器を始めとした福祉機器やスマートフォン・アプリ等の普及を後押しすることにより、障害児者の社会参加等を促進しています。
当センターのスタッフ3名全員が、デジタルアクセシビリティアドバイザー認定を受け、自己研鑽と上質な情報提供に努めており「デジタル利用相談支援」、「情報・意思疎通機器の普及・啓発」、「技術支援のための講習会」、「技術支援連絡・意見交換会」の各事業をおこなっています。
【DAAショートレポート4】
DAA実践が研究に与える影響とキャリア形成について ~テクノロジーファーストの潮流におけるDAAの価値~
岡田 知士氏(福祉工業高等専門学校 生産システム工学専攻)
講演概要(クリックすると表示します)
本講演では、私がデジタルアクセシビリティ・アドバイザー(DAA)の資格を取得したことで、学生生
活がどのように向上したかをご紹介します。一見、専門外に思えたDAAの知識は、私の卒業研究に「新しい視点」をもたらしました。その結果、研究アプローチが根本から変わり、学術団体からの高い評価と、希望していた企業・公的機関の内定獲得という成果に直結しました。
本講演を通じて、DAAが技術を「社会貢献力」として証明し、研究とキャリアにどのように革新的な視点と確実な成果をもたらすのかをお伝えします。
【DAAショートレポート5】
山口県周南地域におけるDAA Basic対策講座の取り組み
三浦 靖 一郎氏(徳山工業高等専門学校 機械電気工学科 教授)
講演概要(クリックすると表示します)
国立高等専門学校機構が推進する「未来技術の社会実装教育の高度化プロジェクトGEAR5.0において、福祉・医工分野の教育研究活動及び社会実装活動に取り組み、2021年から高等専門学校でのデジタルアクセシビリティアドバイザー(DAA)の取得を推奨するようになった。
そうした中、周南総合支援学校教諭よりDAA取得の相談を受けたことで、DAA Basic対策講座の開講を検討し、元特別支援学校教諭でDAA Standard取得者を講師として、2025年1月15日から「DAABasic対策講座」の開講に至った。講座受講者は計23名(周南総合支援学校教諭11名、徳山総合支援学校1名、鼓ケ浦こども医療福祉センター・社会福祉法人鼓ヶ浦整枝学園専門職員2名、久米地区社会福祉協議会関係者1名、徳山高専の学生8名)だった。受講者は、使用機種(OS)によって異なるアクセシビリティ機能の使い方を整理することができた。 講座後、特別支援学校や医療福祉センターの職員など受講者の多くが、DAA BASIC試験に合格した。
DAAは、「誰もが気軽にデジタル技術を活用できるように支援すること」を共通認識として持つ、地域の異業種をつなげるツールとして機能することがわかった。 DAAを学びその資格を取得した学生・市民が、地域のデジタルデバイドを解消するカギになることを期待している

